シングルマザー・シングルファザーの保険選びのコツ

一家の大黒柱であるシングルマザー・シングルファザーの方は「自分に万が一があったら子どもの生活はどうなるのだろう」と不安を抱くこともありますよね。

公的な支援として受け取れる遺族年金もふまえて、どんな保険を選ぶべきかをFPが解説していきます。

シングルマザー・シングルファザーが入るべき保険の種類

収入保障保険

シングルで子育てをしている方は、万が一自分が亡くなった時のことを想定すると、子どもの教育費や生活費が心配ですよね。公的な支援制度の遺族年金だけでは十分でない場合が多いので、足りない部分は保険でカバーする必要があります。

子育て期間限定でしっかりと保障を備えたいなら、収入保障保険がおすすめ。いわゆる『掛け捨ての保険』と呼ばれる定期保険の一種の収入保障保険ですが、終身保険や他の定期保険と比べて保険料が割安なのが特徴です。

収入保障保険は、被保険者が〇歳までに亡くなった場合にその年まで月〇万円が遺族に届くように設計します。「子どもが大学を卒業するまでは自分に万が一があっても金銭的に困らないようにしたい」など、期間限定でしっかりとした保障が必要な方に向いている保険です。

医療保険

病気やケガで入院・手術をした際は、医療費だけではなく働けない期間の生活費も不安ですよね。

高額療養費制度やひとり親家庭等医療費助成制度を利用したり、傷病手当を受給することで医療費の負担は抑えられます。

ただし、先進医療費や差額ベッド代、食事療養費などは自己負担となるので、医療保険で最低限は備えておくのがおすすめです。

ガン保険

ガンになると「もし働けなくなったら…」「治療費が…」という心配がつきまとうものです。

治療費は公的医療保険の適用範囲内であれば、高額療養費制度などの助成があるためそこまで心配することはありません。しかし、ガンの治療中に働けないことによる生活費の不安があります。

ガン保険の中には、ガンと診断されると100万円といったように大きな額のお金が受け取れて、再発や転移を繰り返す場合にも毎年お金が受け取れるようなものや、治療を続けている限り毎年(毎月)一定金額を受け取れるものもあります。

貯蓄・運用型の保険

子どもが将来、大学や専門学校などに進学する場合は、教育資金の準備が必要です。

教育資金は、大学進学でまとまってかかってくることが多いので、子どもが小さいうちからコツコツ計画的に準備することがポイントです。
養育費や母子手当を受け取っている場合は、その一部を将来の教育資金として積み立てていく方法もあります。

後述する貯蓄・運用型の保険であれば、貯蓄と同時に死亡保障もつくので、一石二鳥でおすすめです。

シングルマザー・シングルファザーの保障額や保険内容の考え方

遺族年金額を確認しよう

まずは、自分が亡くなった場合に公的な支援である遺族年金が子どもにいくら届くのかを確認しましょう。

遺族年金の額は、厚生年金の被保険者かどうかによって大きく変わります。
自営業など国民年金の方は、厚生年金の被保険者である会社員の方に比べて遺族年金の額が少ないので注意が必要です。

遺族年金の受給額は日本年金機構のHPで確認するほか、FPに相談して正確な金額を確かめるのもおすすめです。

必要な保障の割り出し方

必要な保障を割り出すために、自分に万が一があった後、子どもがどのように養育されていくのかを考えましょう。

基本的には祖父母や兄弟、おじおばが未成年後見人となって子どもの養育を引き継ぐことになります。

その際、毎月いくら子どもの養育に必要かをシミュレーションしてみてください。日々の生活費だけではなく教育資金も含めて考えましょう

月々必要な額が出たら、遺族年金や養育費などの収入をそこから差し引きます。足りない額が保険でカバーすべき部分です。つまり、これが必要な保障額となります。

シングルマザー・シングルファザーの教育資金づくり

学資保険は入るべき?

子どもの教育資金づくりと聞いてまず最初に思いつくのが、学資保険ではないでしょうか?

結論から言うと、FP目線では学資保険はあまりおすすめできません。

学資保険は、積み立てたお金が子どもの進学の節目のタイミングで祝い金として受け取れる仕組みの保険です。
そこまで大きな利率が付くものではないため、貯めた額がある時期になったら同額かわずかに増えて戻ってくる『定期預金』のようなイメージです。

被保険者は子どもと親となり、子どもがもし亡くなった場合には、まだ受け取っていない祝い金を保険金として支払われます。

親が死亡した際は保険金がおりるわけではなく、払込免除特約を付ければ払込期間中に親が死亡した場合に残りの保険料の払い込みが免除される形になります・

養育期間中に死亡保障が必要なのは親なのに、子どもに死亡保障が付いてしまうというのはナンセンスではないでしょうか。せっかく保険で教育資金を備えるなら、もっと効率の良い方法があります。

おすすめの教育資金のつくり方

養育期間中の保障をしっかり備えておきたいシングルマザー・シングルファザーの方には、保障を持ちながら同時に貯蓄・運用もできる『ドル建て終身保険』などがおすすめです。

ポイントは、10年払などの短期払にすること。10年間保険料を払い込めば(貯めれば)、その後は貯まったお金を保険会社が運用してくれるので解約返戻金が増えていく仕組みです。

払い込む保険料の総額の2倍~3倍の死亡保険金額が付く商品もあり、万が一の備えとしても安心ですね。

払込終了後は自分の好きなタイミングで解約して現金化し、教育資金に充てることができます。そのため「大学に進学しなかった」「自宅から通える国公立の大学に通うことになった」など、もし、まとまった教育資金が必要なかった場合は解約せずにそのまま保険を継続すれば解約返戻金は更に増えていきます。

教育資金として解約して現金化しなかった場合は、住宅資金や老後資金など目的を変えて使うことも可能です。

ドル建て終身保険は、貯蓄ができると同時にしっかりとした死亡保障もつく一石二鳥の保険ですね。

忙しい方こそ、FPに相談して

シングルマザー・シングルファザーは「仕事・育児・家事で忙しいく、保険のことをゆっくりと考える暇もない・・・」という方がほとんどだと思います。

ただ、愛する子どものために親として最適な保険に入ることはとても大切なこと。なかなか自分で考える時間を取れない方こそ、保険のプロであるFPに相談して効率的に最適な保険を見つけましょう。